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バイエルン王ルートヴィヒ2世の宮殿群/ドイツ若き“孤高の王”の夢が眠る城

バイエルン王ルートヴィヒ2世の宮殿群

Story

アルプスの山々を背に、霧けむる湖を望み、深い森に抱かれるように建つノイシュヴァンシュタイン城。南ドイツ・バイエルンの山あいに、白鳥が舞い降りたかのような美しいたたずまいを見せます。

この城は、19世紀後半、ドイツ統一の波に揺れ次第に王権が弱まっていったバイエルン王国で、自らの理想に没頭した孤高の王、ルートヴィヒ2世が築いた“幻想の舞台”でした。幼い頃から青年期にかけて彼の心を奪ったのが、ワーグナーのオペラ《ローエングリン》に登場する白鳥の騎士、そして“太陽王”ルイ14世。騎士のように気高く、太陽王のように威光を放つ存在でありたいと願い、自らを物語の登場人物として演じるように生きていきます。やがて王は、中世の騎士伝説とワーグナーの音楽世界を具現化するように、ノイシュヴァンシュタイン城の建設を開始。さらに、太陽王の宮廷文化を写し取ったような華麗な空間として、リンダーホーフ城やヘレンキームゼー城を築きました。アルプス山中のシャッヘン山荘も、自然に包まれた“静かな逃避先”として理想を投影した一つです。こうした建築が続く一方で、バイエルン王国はドイツ帝国への編入によって主権を失い、王の政治的立場も急速に弱まっていきます。やがて王は幽閉され、志半ばでこの世を去りました。

ノイシュヴァンシュタイン城は、本来誰にも見せるつもりのなかった、王の内なる夢の世界。気高くあろうとし、美しい幻想に生きた王の想いは、今もこの地に息づいています。そのロマンティックな世界に、あなたも静かに足を踏み入れてみませんか。

Photos

ノイシュヴァンシュタイン城 王座の間

豪華な装飾が施されたノイシュヴァンシュタイン城の王座の間

リンダーホフ城

ルードヴィヒ2世が建設した3つのお城のうち唯一完成したリンダーホーフ城

Data

登録名
バイエルン王ルートヴィヒ2世の宮殿群:ノイシュヴァンシュタイン城、リンダーホーフ城、シャッヘン城、ヘレンキームゼー城
登録年
2025年
分類
文化遺産
国名
ドイツ
住所
Neuschwansteinstraße 20, 87645 Schwangau,ドイツ(ノイシュヴァンシュタイン城)
アクセス
ミュンヘンからフュッセンまで電車で約2時間、フュッセンからバスで約10分
ベストシーズン
通年