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ロンドン塔/イギリス王宮から監獄へ栄光と悲劇の歴史

ロンドン塔

Story

堅固な城壁に囲まれテムズ川のほとりに建つロンドン塔は、11世紀にイングランドを征服したウィリアム1世が築いた要塞が起源。5階建て高さ約27.4mのホワイト・タワーを中心に、歴代の国王によって増改築された塔や館、礼拝堂などが建ち並び、17世紀まで王宮として使われていましたが、やがて王位継承争いに敗れた王侯貴族や反逆者を幽閉する監獄となり、血塗られた歴史に染まっていきます。

1483年、12歳で即位したエドワード5世は、叔父リチャード3世によって王位を簒奪(さんだつ)され、10歳の弟ヨーク公とともにロンドン塔に幽閉され殺害されてしまいます。エリザベス1世も幽閉されていたことがありますが、彼女の母であり、ヘンリー8世の2番目の王妃アン・ブーリンも1536年にロンドン塔に幽閉され、姦通罪の濡れ衣を着せられ処刑されています。数々の悲劇の舞台となったロンドン塔には、権力争いに巻き込まれ命を絶った人々の亡霊が今もさまよっているといわれます。

またロンドン塔にまつわる物語としてよく取り上げられるのが、カラスの伝説です。17世紀のこと、チャールズ2世がロンドン塔に棲みついたカラスの駆除を命じます。しかし占い師がカラスがいなくなると英国が滅びると予言。以来、カラスは英国王室の守護神として大切に飼われてきました。

王室の光と影を物語るロンドン塔は、今や屈指の観光名所。世界最大といわれるダイヤモンド「アフリカの星」が展示されているジュエル・ハウスには、見学者が引きも切りません。ただロンドン塔に棲むカラスだけが、今も過去の歴史を象徴しているかのようです。

Photos

ブラッディー・タワー

歴史的人物が幽閉されたブラッディー・タワーも内部が公開されている

ジュエル・ハウス

「アフリカの星」が展示されているジュエル・ハウス

Data

登録名
ロンドン塔
登録年
1988年
分類
文化遺産
国名
イギリス
アクセス
タワー・ヒル駅より徒歩約1分
ベストシーズン
通年