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世界遺産 〜The World Heritage〜

第153回 スペイン サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路 伝説と信仰が生んだ 中世の巡礼の道

第153回 スペイン

サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路

伝説と信仰が生んだ 中世の巡礼の道

世界遺産|サンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂

©Vinicivs Tupinamba

Story

説によると9世紀、エルサレムで処刑されたイエス・キリストの12使徒のひとり聖ヤコブ(スペイン名・サンティアゴ)の墓がスペイン北部で発見され、これを記念して聖堂が建てられました。時はレコンキスタ(国土回復運動)の最中、その地サンティアゴ・デ・コンポステーラはキリスト教徒の精神的支柱となり、ヨーロッパ各地から多くの巡礼者が訪れ、教会が建ち、巡礼路ができ町が形成されていきました。

世界遺産に登録されているのは、フランスからピレネー山脈越えの巡礼路。各路はスペインのプエンテ・ラ・レイナで合流し、さらに800kmも続きます。「北方のトレド」と呼ばれたエスティーリャ、カテドラルなど多くの宗教建築が残る古都ブルゴス、壮麗なカテドラルで有名な旧レオン王国の首都レオンなどを経て、サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと5kmの「歓喜の丘」に立てば、眼下にスペイン・ロマネスク様式のカテドラルが…。巡礼者が初めて目にする聖なる地です。そして巡礼者は、約200体の聖人像が刻まれた「栄光の門」の中央に座す聖ヤコブ像に迎えられ、聖ヤコブの墓の上に作られたスペイン・バロック様式の主祭壇へ向かうのです。

中世にキリスト教の三大聖地のひとつとなり、12世紀には年間50万人もの人々がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しました。巡礼路にはおびただしい数の人々とともにヨーロッパ各地の文物が行き交い、宗教建築や絵画など芸術・文化の発展にも大きく寄与しました。

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世界遺産に登録されているのは、フランスからピレネー山脈越えの巡礼路。各路はスペインのプエンテ・ラ・レイナで合流し、さらに800kmも続きます。「北方のトレド」と呼ばれたエスティーリャ、カテドラルなど多くの宗教建築が残る古都ブルゴス、壮麗なカテドラルで有名な旧レオン王国の首都レオンなどを経て、サンティアゴ・デ・コンポステーラまであと5kmの「歓喜の丘」に立てば、眼下にスペイン・ロマネスク様式のカテドラルが…。巡礼者が初めて目にする聖なる地です。そして巡礼者は、約200体の聖人像が刻まれた「栄光の門」の中央に座す聖ヤコブ像に迎えられ、聖ヤコブの墓の上に作られたスペイン・バロック様式の主祭壇へ向かうのです。

中世にキリスト教の三大聖地のひとつとなり、12世紀には年間50万人もの人々がサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指しました。巡礼路にはおびただしい数の人々とともにヨーロッパ各地の文物が行き交い、宗教建築や絵画など芸術・文化の発展にも大きく寄与しました。

Photos

世界遺産|巡礼路
▲中世の風景を残す石造りの道。巡礼者はホタテ貝の目印を頼りに歩き続ける
©スペイン政府観光局
世界遺産|聖ヤコブ像
▲12世紀ロマネスク美術の最高傑作といわれる栄光の門/聖ヤコブ像(中央)
©Santiagoturismo.com

Data

◆登録名:
サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路
◆登録年:
1993年
◆分類:
文化遺産
◆アクセス:
徒歩で全行程を回るには約1カ月が必要。カテドラルのあるサンティアゴ・デ・コンポステーラまでマドリッドから飛行機で約1時間10分、車で約9時間