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平泉/日本奥州藤原氏の夢の跡黄金が築いた浄土の国

平泉

Story

2011年6月、世界遺産に登録された平泉は平安時代、奥州藤原氏が3代約100年にわたって政庁を構えた地。戦乱で自らも家族を失うなど悲惨な代償と引き換えに、奥州の覇者となった初代清衡は非戦を決意。水陸交通の要衝の地として栄えていた平泉に館を移し、仏教による平和な世界(浄土)の建設を目指しました。中尊寺、毛越寺、無量光院跡、観自在王院跡、金鶏山で構成される世界遺産「平泉の文化遺産」は、奥州藤原氏が地上に表した理想郷の夢の跡です。

天台宗東北大本山である「中尊寺」は、清衡が平泉に初めて塔を建立し、楽土建設の意志を示した地。黄金の光に包まれ、さながら極楽浄土を彷彿させる金色堂には、初代清衡、2代基衡、3代秀衡の遺体と4代泰衡が安置されています。基衡と秀衡が造営した「毛越寺」は、金銀が散りばめられていた壮大な伽藍の遺構と、大泉ヶ池を中心とする日本屈指の浄土庭園が往時を偲ばせます。無量光院跡は秀衡が宇治の平等院鳳凰堂にならって建立した寺院の遺構。彼方に信仰の山・金鶏山を望み、皆等しく極楽浄土を願ったのでしょうか。

都を凌ぐほどの大寺院、楽土の建設を支えたのは、奥州に産出した膨大な量の「金」。例えば清衡が宋版一切経の購入に使った金は現在の価格でおよそ80億円とか。奥州藤原氏の滅亡後、絢爛たる平泉文化を築いたおびただしい金はどこに消えたのか。黄金の雌雄の鶏を埋めたと伝わる金鶏山など、今も各地に黄金伝説が語り継がれています。

Photos

中尊寺 本堂

月見坂を抜けると現れる中尊寺・本堂には多くの人が参拝に訪れる

毛越寺 浄土庭園

800年余の年を経ても変わらぬ美しさを称える毛越寺・浄土庭園

Data

登録名
平泉:仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群
登録年
2011年
分類
文化遺産
国名
日本
住所
岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202
アクセス
JR一ノ関駅から東北本線で平泉駅まで約9分
ベストシーズン
通年