ボローニャのポルティコ群／イタリア心地よい街歩きを誘うボローニャの歴史ある美しい回廊

古代ローマ時代より交通の要衝として発展してきたボローニャは、歴史と文化にあふれる街です。中心地はヨーロッパ最古の歴史を誇るボローニャ大学へ通う学生や、観光客で賑わいます。この街を個性づけているのは、至るところに張りめぐらされた「ポルティコ」のおかげで、人々が雨や陽差しを避けながら快適に街歩きを楽しめること。ポルティコとは屋根付きの回廊（アーケード）であり、街のシンボルとなっています。

ギリシャ神殿に起源をもつポルティコはヨーロッパ各地に築かれましたが、ボローニャのものは総延長が62kmに及び世界最長ともいわれます。最初に築かれたのは12世紀のことで、ボローニャ大学に多くの学生がやってきたことがきっかけでした。急増する学生の深刻な下宿不足の解消のため、建物の1階部分にポルティコを、2階以上の部分に部屋を作ったのです。1288年には条例でその設置が建物の所有者に義務付けられ、都市と大学の拡大に合わせて街全体に広がっていきました。時代によって木製のものから、石やレンガなどさまざまな素材でできています。

街路を機能的に、美しく整える目的で築かれたポルティコが、人々の交流の空間として、また商業活動の場としても発展したというこの街独特の都市構造は注目に値します。テーブルを出したカフェやリストランテで語り合ったり、ウィンドウショッピングを楽しんだり、思い思いの過ごし方をしながらこの街の歴史を感じてみましょう。