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ワルシャワ歴史地区/ポーランド市民の熱意と努力により戦禍から甦った「北のパリ」

ワルシャワ歴史地区

Story

1980年に世界遺産に登録されたワルシャワ歴史地区は、ポーランドの首都ワルシャワの旧市街。ヴィスワ川のほとりに息づくその美しい佇まいは、第二次世界大戦後に17~18世紀の町並みを忠実に復元したもので、再建された市街が世界遺産に登録されたのは世界初。そこにはワルシャワが歩んできた破壊と再生の歴史がありました。

ワルシャワの建設は13世紀に遡り、1596年にクラクフから首都が遷されるや発展を遂げ、その繁栄ぶりは「北のパリ」と称されるほどでした。しかし1939年にナチス・ドイツが侵攻し、第二次世界大戦が勃発。占領下で市民たちが蜂起しますが、徹底攻撃によってワルシャワの8割以上が破壊され、旧市街にいたってはほとんどが瓦礫と化してしまいました。やがて戦後、ワルシャワを歴史から消すことはできないと、市民たちが町並みの復元に立ち上がります。18世紀の画家の風景画や、戦前に建築科の学生たちが残していた建物の精密なスケッチを手がかりに、もともと使用されていた煉瓦は可能な限り再利用し、破片さえも元の場所にはめ込むなど、それは「レンガのひび割れ一つに至るまで」と形容されるほど丹念な修復でした。

壊滅的な被害から見事に甦ったワルシャワの旧市街。復元文化財のため当初は登録が危ぶまれていましたが、「破壊からの復元および維持への人々の営み」が評価され世界遺産に。市民の不屈の魂と、復興への執念が勝ち取った世界遺産登録といえるでしょう。

Photos

ワルシャワ

戦時中の壊滅的な被害から、市民の手によって見事に甦ったワルシャワ

ワルシャワ

復元の際、もともと使用されていた煉瓦は可能な限り再利用された

Data

登録名
ワルシャワ歴史地区
登録年
1980年
分類
文化遺産
国名
ポーランド
住所
Rynek Starego Miasta, 00-001
アクセス
ワルシャワ・ショパン空港からワルシャワ中央駅まで電車にて約25分。駅からバスにて旧市街地へ。
ベストシーズン
通年