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ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区/アゼルバイジャンコーカサスの古都に残る絹の栄華を映す宮殿

ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区

Story

コーカサス山脈のふもと、森に覆われた谷あいにシェキの町は広がっています。18世紀半ば、この地はハーンと呼ばれる君主が治める国の都となり、コーカサスでも指折りの勢力を誇りました。1772年、泥流に襲われて古い町が壊滅すると、ハーンはより安全な山あいの高台に町を移し、再建します。家々が山の斜面から谷へと連なる今の町並みは、このときに始まったもの。町の建築には、ペルシアやロシアの文化も溶け込んでいます。

シェキの名を遠くまで広めたのは、この地で生まれる美しい絹でした。家々の屋根が高く傾斜しているのは、風通しのよい広い屋根裏で蚕を育てるため。人々は繭から糸を紡ぎ、絹織物に仕上げていったのです。東西を結ぶシルクロードの交易路上にあるこの町には、その絹を求めて各地から商人たちが集まりました。旅の一行が荷を解き、商いを交わした隊商宿キャラバンサライは、今なお宿として旅人を迎えています。石畳の中庭を囲むアーチの回廊を歩けば、往時のにぎわいが目に浮かぶようです。

町の北東にたたずむのが、ハーンの宮殿です。二階建ての館を彩るのは、木の格子に色ガラスをはめ込んだシェベケと呼ばれる窓。内部の壁には、花や鳥、狩りや戦いの場面が描かれています。宮殿の内部は写真に残すことができません。だからこそ、色ガラス越しの光も、壁を埋める絵も、その目に焼き付けておきたいもの。絹が生んだ富の結晶ともいえる色彩が、訪れる人を待っています。

Photos

キャラバンサライ

キャラバンサライ(隊商宿)は現在一部ホテルやショップなどとして活用されている。

Data

登録名
ハーンの宮殿のあるシェキの歴史地区
登録年
2019年
分類
文化遺産
国名
アゼルバイジャン
住所
Sheki, Azerbaijan
アクセス
首都バクーから長距離バスまたは車・タクシーで約5~6時間
ベストシーズン
5月~6月、9月~10月