湯治とは、休養・保養・療養を目的として長期滞在し、温泉に入浴することを言います。温泉の持つ療養効果にて人が本来持つ自然治癒力を高めることが本質とされています。
北海道エリア
主な温泉
十勝川温泉/温根湯温泉/川湯温泉/層雲峡温泉/白金温泉/天人峡温泉/定山渓温泉 など
雄大な大自然と温泉、北の大地の恵みを使ったグルメで心身ともにリフレッシュ。道東から道南まで様々な温泉地が点在します。
中国・四国エリア
主な温泉
三朝温泉/皆生温泉/長門湯本温泉 など
ラドン温泉として有名で、与謝野晶子など数多くの文豪も訪れた鳥取県の三朝温泉や坊っちゃんで、有名な愛媛県道後温泉など、魅力ある温泉地がいっぱいあります。
関東エリア
主な温泉
草津温泉/万座温泉/四万温泉/箱根温泉/鬼怒川温泉/熱海温泉 など
関東は実は温泉地に恵まれた絶好の温泉エリア。箱根や草津温泉など、東京から移動も少なく気軽に行ける魅力があります。
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主な温泉地
温根湯温泉、鳴子温泉、鬼怒川温泉、下呂温泉、長門湯本温泉、別府温泉、川湯温泉、箱根温泉、鹿教湯温泉、奥飛騨温泉郷(平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高)、宇奈月温泉、石和温泉、道後温泉、畑毛温泉、奥道後温泉、霧島温泉
単純温泉とは?
刺激が小さく「やさしい温泉」であるため、子供からお年寄りまで家族揃って安心して入れる温泉です。「温泉のスタートは単純温泉から」と言ってもいいほど、単純温泉は安心して入れる温泉なのです。湯あたりを起こしにくい泉質でもあります。
効果・効能
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、健康増進など。
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主な温泉地
十勝川温泉、玉川温泉、鳴子温泉、城崎温泉、皆生温泉、指宿温泉、箱根温泉、青堀温泉、別府温泉、熱海温泉、加賀温泉郷(粟津・片山津・山代)、芦原温泉、奥飛騨温泉郷(平湯・新穂高)、和倉温泉、串本温泉、登別温泉、湯村温泉、こんぴら温泉
塩化物泉とは?
塩化物泉は高齢者向きでよくあたたまります。入浴することにより、皮膚に塩分が付着し、汗の蒸発を防ぐため、保温効果がよく、湯冷めしにくい事から「熱の湯」といわれています。また塩分の殺菌効果により、切り傷などの回復・鎮静効果もあると言われています。
効果・効能
切り傷、火傷、慢性皮膚病、虚弱児童、慢性婦人病、消化器、便秘、筋・関節痛、打撲、捻挫、冷え性、月経障害、不妊症、病後回復など。
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主な温泉地
天人峡温泉、鳴子温泉、乳頭温泉、赤倉温泉、妙見温泉、別府温泉、箱根温泉、奥飛騨温泉郷(平湯・福地・新穂高)、湯村温泉
炭酸水素塩泉とは?
肌の不要な角質や、毛穴の汚れを取り除くため、入るだけで石鹸で体を洗ったように体が清潔になる効果があります。なお、炭酸水素塩泉は空気に触れたり、時間がたったりすると効能成分が失われやすいので、温泉が浴槽の下から注がれている風呂が理想的です。
効果・効能
肝臓病、糖尿病、胃腸病、痛風、切り傷、火傷、皮膚病、利尿、火傷、切り傷、慢性皮膚病など。
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主な温泉地
天人峡温泉、鳴子温泉、赤倉温泉、別府温泉、箱根温泉、熱海温泉、加賀温泉郷(粟津・山代・山中)、登別温泉、湯村温泉、久美浜温泉
硫酸塩泉とは?
動脈硬化症に効果があり、鎮静作用や血圧の降下作用もあるため、古くから「傷の湯」「脳卒中の湯」といわれています。肌に温泉成分が付着し「温泉パック」のような状態をつくってくれるので、湯冷めもしにくいのも特徴です。
効果・効能
脳卒中、肝臓病、糖尿病、健康増進、病後回復、疲労回復、ストレス解消、動脈硬化症、切り傷、火傷、慢性皮膚病など。
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主な温泉地
別府温泉
二酸化炭素泉とは?
二酸化炭素泉は大変珍しく、貴重な温泉です。入浴すると、体に気泡が付着します。これが炭酸ガスです。炭酸ガスは皮膚から吸収され、血管を拡張し、血液の循環をよくするので温度が低くとも体があたたまるのです。
効果・効能
高血圧症、動脈硬化症、切り傷、やけどなど。
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主な温泉地
別府温泉
含鉄泉とは?
「眼の湯」と呼ばれ、皮膚や粘膜の収れん作用が強く、慢性の皮膚疾患や結膜炎等の粘膜疾患に効果があります。 保湿効果も高い泉質です。鉄分が酸化し茶褐色になっている「にごり湯」が多いです。そのため、「赤湯」と呼ばれて親しまれているものが多いです。
効果・効能
貧血、腎臓病、胃腸、筋・関節痛、慢性皮膚炎、更年期障害、月経障害など。
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主な温泉地
玉川温泉、鳴子温泉、草津温泉、箱根温泉、万座温泉、別府温泉
酸性泉とは?
塩酸や硫酸、ほう酸を多く含み、海外ではあまり見られない日本特有の泉質です。殺菌力、抗菌力に優れているため、皮膚病に効果があるとされています。ただし、刺激の強い泉質ですので、体の弱い方などは入浴の際には注意が必要です。
効果・効能
慢性皮膚病、湿疹、水虫、貧血、慢性消化器病、外傷など。
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主な温泉地
青堀温泉
含よう素泉とは?
温泉水1kg中によう化物イオンを10mg以上含むことが条件の温泉。お湯はいわゆるヨード液を連想させる茶褐色で、口に含むと独特の苦味を感じます。殺菌作用が高く、気になるコレステロール値を下げたり、動脈硬化の予防効果もあるとされています。
効果・効能
動脈硬化の予防、高コレステロール血症(飲用時)など。
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主な温泉地
温根湯温泉、川湯温泉、乳頭温泉、万座温泉、白骨温泉、別府温泉、箱根温泉、別所温泉、勝浦温泉、塩江温泉、登別温泉、奥道後温泉、雲仙温泉
硫黄泉とは?
遊離炭酸ガスや硫化水素を含有しない「硫黄泉」と遊離硫化水素や炭酸ガスを含有する「硫化水素泉」の2種類があります。水面から立ち上るガスを吸入すると痰の切れが良くなることから、硫黄泉は「痰の湯」と呼ばれることもあります。
効果・効能
慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病、高血圧症(硫化水素型)、動脈硬化症(硫化水素泉)など。
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主な温泉地
有馬温泉、三朝温泉
放射能泉とは?
放射能泉はラドンを一定量以上含む温泉です。放射能などというと怖いイメージがありますが、温泉に含まれる程度の放射能は体には良い方向にはたらきます。入浴で痛風への効能を期待できるのは放射能泉だけということから「痛風の湯」としても名高いのです。
効果・効能
痛風、動脈硬化症、高血圧症、慢性胆のう炎、胆石症、慢性皮膚病、慢性婦人病など。
温泉の効能の違いから入り方が様々違います。宿泊施設によって、湯治の仕方や注意事項など説明書きがあるので事前にチェックすることをおすすめします。効能、入浴時間・回数、注意事項はしっかり確認しましょう。
1日2〜3回程度45分〜1時間程度(湯による)を目安に、1週間以上続けるのがおすすめです。入浴前後の食事は血液循環の偏りから体調不良を起こしやすいので避けましょう。
泉質の変化はありませんが、湯の花などの鉱物の量などが違ってきます。まだその日に誰も浸かっていない一番風呂は「濃い」時間帯で段々薄まってきます。湯治効果も高いですが、刺激が強すぎるデメリットもあるため要注意ください。
身体全体が温まるようにつま先から膝、徐々に上に向かってお湯をかけていきます。急速な温度変化の防止の他、身体の汚れも落とし、温泉成分の吸収の手助けにもなるので、かけ湯の後、洗い場で身体を洗うのも良いでしょう。
湯治を続けると一時的に体のだるさ、めまいなどの症状が出るケースが見受けられ、適度な休息が必要とされています。泉質があわないことも考えられるため、体調を崩したら一時的に入浴をやめ、復調したら開始されることをおすすめします。
急速な温度変化による血圧の急上昇を防ぐため、湯船に浸かる前にする「かけ湯」は重要です。つま先から膝、腹部、胸など、末端から心臓部近くへ向かって何回か行うことが良いといわれています。そして、「ゆっくり入り、ゆっくり上がる」を意識して入浴しましょう。
温泉入浴は体力を消耗するため、1日2〜3回くらいが良いとされています。発汗目的の「温熱効果」や効能の「薬理効果」を得たいのであれば、軽く額が汗ばむ程度が良いでしょう。半身浴やかけ湯、発汗により不足した水分やミネラル補給のために、入浴前後の水分補給などを心がけましょう。
※写真・イラストは全てイメージです。ご旅行中に必ずしも同じ角度・高度・天候での風景をご覧いただけるとは限りませんのでご了承ください