世界遺産 〜The World Heritage〜

世界遺産とは?世界遺産にまつわるQ&A

Q1.世界遺産に種類はあるの?

A1.地球上に存在するかけがえのない宝、世界遺産。一定の基準によって以下の3つに分類されます。

  • 文化遺産:
    優れた普遍的価値を持つ建築物や遺跡、記念工作物、文化的な景観など
    自然遺産:
    鑑賞上、学術上、保存上優れた価値を持つ地形や生物、景観などが含まれる地域
    複合遺産:
    文化遺産と自然遺産、両方の要素を兼ね備えている遺産
  • また、危機遺産リストが設けられており、自然災害や人災、景観など、著しく修復の必要や保護が求められるものが登録されます。危機的な状況から脱した場合は解除されますが、逆に価値を失ったと判断されると世界遺産の登録が抹消されてしまいます。
富士山
▲2つとない貴重な遺産

Q2.登録されるまでの過程は?

A2.世界遺産は、ユネスコ(UNESCO)で採択された国際条約「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」によって、世界遺産リストの作成や登録された遺産保護支援を行う世界遺産委員会の設置が定められています。異なる地域および文化を代表する条約国の中から21カ国で構成される世界遺産委員会が、毎年1回開催されて世界遺産の登録などを審議・決定します。

  • 国として世界遺産条約を締結。日本は1992年に125番目の締約国として世界の仲間入りを果たしました
  • 締結国は、今後5年から10年の間に世界遺産登録を目指す物件を、ユネスコの暫定リストに登載
  • 締結国は、暫定リストから条件が整った物件をユネスコに推薦。日本では世界遺産条約関係省庁連絡会議が物件を決定
  • ユネスコが推薦物件を調査。世界文化遺産候補は国際記念物遺跡会議が、世界自然遺産候補は国際自然保護連合が現地調査
  • 年に1回開催される世界遺産委員会(開催は6月下旬〜9月頃)で、世界遺産登録の可否を決定

Q3.2023年に新規登録された世界遺産は?

A3.2023年は33件の文化遺産、9件の自然遺産の合計42件が新規登録され、重要な範囲の変更が行われた遺産が1件ありました。これで世界遺産は合計で1,199件となります。
また、危機遺産リストに新規登録されたのは2件、リストから脱したのは1件だったため危機遺産の総数は56件になりました。

■新規登録の世界遺産
【文化遺産】
ゲデオの文化的景観(エチオピア)
ジェルバ:島嶼部への入植様式の証拠(チュニジア)
ルワンダ虐殺の記憶の場:ニャマタ、ムランビ、ギソジ、ビセセロ(ルワンダ)
ホープウェルの儀礼的土塁群(アメリカ)
伽耶古墳群(韓国)
普洱(プーアル)の景邁山古茶林の文化的景観(中国)
鹿石と関連する青銅器時代の遺跡群(モンゴル)
ジョグジャカルタの世界観を表す軸線と歴史的建造物群(インドネシア)
シ・テープの古代都市と関連するドヴァラヴァティ王国の遺跡群(タイ)
コー・ケー:古代リンガプラもしくはチョック・ガルギャーの考古遺跡(カンボジア)
シャンティニケタン(インド)
ホイサラ様式の信仰関連遺産群(インド)
トロンデック・クロンダイク(カナダ)
第一次世界大戦(西部戦線)の慰霊と記憶の場(フランス、ベルギー)
ニームのメゾン・カレ(フランス)
メノルカ島のタライオティック文化先史遺跡群(スペイン)
エアフルトの中世ユダヤ関連遺産(ドイツ)
ザゴリの文化的景観(ギリシャ)
フラーネカーのエイシンハ・プラネタリウム(オランダ)
ジャテツとザーツ・ホップの景観(チェコ)
ヴァイキング時代の環状要塞群(デンマーク)
クルディーガの旧市街(ラトビア)
カザン連邦大学の天体観測所群(ロシア)
モダニズム都市カウナス:楽観主義建築(1919-1939)(リトアニア)
ESMA 博物館と記憶の場:拘禁と拷問、虐殺のかつての機密拠点(アルゼンチン)
タカリク・アバフ国立考古公園(グアテマラ)
ヨルサファナの考古学的遺跡:ヨルサファナの入植地とカシポラ・クリークの墓地(スリナム)
ゴルディオン(トルコ)
中世アナトリアの木造多柱式モスク群(トルコ)
キナリグ人の文化的景観と移牧の道「カッチ・ヨル」(アゼルバイジャン)
ペルシアの隊商宿(イラン)
シルク・ロード:ザラフシャン・カラクム回廊(ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)
古代エリコ/テル・エッ・スルタン(パレスチナ)
【自然遺産】
バレ山脈国立公園(エチオピア)
オザラ・コクアの森林山塊(コンゴ民主共和国)
ニュングウエ国立公園(ルワンダ)
アンティコスティ(カナダ)
アペニン山脈北部の蒸発岩カルストと洞窟群(イタリア)
プレ山及びマルティニーク島北部の峻峰群の火山と森林(フランス)
ヨルサファナの考古学的遺跡:ヨルサファナの入植地とカシポラ・クリークの墓地(スリナム)
トゥランの寒冬砂漠群(ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン)
ウルク・バニ・マアリド(サウジアラビア)
ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区のタゲイ森林群(タジキスタン)
2023年1月にパリのユネスコ本部で開催された世界遺産委員会の臨時会合では、3件の遺産が緊急的登録推薦によって世界遺産に登録されました。
オデーサの歴史地区(ウクライナ)
トリポリのラシード・カラーミー国際見本市会場(レバノン共和国)
マリブ:古代サバ王国の代表的遺跡群(イエメン共和国)
ザゴリの文化的景観(ギリシャ)
▲自然と文化の融合が絵のように美しい「ザゴリの文化的景観」
ニュングウエ国立公園(ルワンダ)
▲多くの動物や植物が息づくルワンダ初の世界遺産「ニュングウエ国立公園」
アンティコスティ(カナダ)
▲4億年前の地層が確認された「アンティコスティ」

Q4.日本の世界遺産はどれくらいあるの?

A4.2023年10月現在、世界遺産は文化遺産933件、自然遺産227件、複合遺産39件を含む1,199件が存在し、そのうち日本からは富士山を始めとする文化遺産20件、小笠原諸島など自然遺産5件、計25件の世界遺産が登録されています。

Q5.世界遺産を訪れるときの注意点は?

A5.世界遺産とは、自然や人類の歴史から生まれたかけがえのない財産です。未来の世代に引き継いでいくためにも、ゴミの持ち帰りなど環境や自然への配慮はもちろん、その土地のルールや規制に従いましょう。特に海外の世界遺産へ訪れる際は、服装などの特別なルールも考えられるため、事前に調べていくのが良いでしょう。

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