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長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産/日本弾圧を逃れ信仰を続けた潜伏キリシタンの歴史の証

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

Story

長崎県と熊本県天草地方には、17世紀に始まる過酷なキリスト教弾圧の下で、2世紀以上にわたり密かに信仰を守り伝えた人々がいました。彼ら潜伏キリシタンの独自に発展を遂げた12の宗教文化資産が、日本国内で22件目の世界遺産(文化遺産)となりました。

1549年にザビエルらによって伝来したキリスト教。大名から民衆まで信徒数は増大の一途をたどり、その勢力を恐れた豊臣秀吉は宣教師を国外追放。後に江戸幕府を開いた徳川家康が1613年、全国に禁教令を発布します。原城跡(長崎県南島原市)は、迫害に耐えかねたキリシタンが1637年、武装蜂起した島原・天草一揆の主戦場。この出来事により、さらに厳しさを増す禁教政策の中で、信徒たちは密かにイエスやマリアに祈りを捧げていくことになります。天草の﨑津集落(熊本県天草市)には、漁具や貝殻などに祈りを託し信仰を続けた漁民たちがいました。頭ヶ島の集落(長崎県新上五島町)には、無人島に逃れ信仰を守った信徒の末裔が暮らしています。そして1865年、開国後に建設された大浦天主堂(長崎市)には多くの潜伏キリシタンが訪れ、宣教師に自らの信仰を告白。現存する国内最古の教会は「信徒発見」の舞台になりました。

1873年になって明治政府はようやく禁教令を解き、潜伏キリシタンはキリスト教信仰の自由を回復しました。潜伏キリシタン関連の遺産を訪ねる旅は、異国情緒あふれる風景とともに、この自由な日本にも、かつて宗教弾圧の負の歴史があったことを教えてくれます。

Photos

頭ヶ島天主堂

構成資産の1つ「頭ヶ島の集落」にある石造りの頭ヶ島天主堂

﨑津教会

「海の天主堂」と呼ばれ、漁民たちの信仰の場となった﨑津教会

Data

登録名
長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
登録年
2018年
分類
文化遺産
国名
日本
住所
長崎県長崎市南山手町5-3
アクセス
JR長崎駅から市電「大浦天主堂」下車後徒歩5分
ベストシーズン
通年