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モスタル旧市街の古橋地区/ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で破壊・再建された橋は多民族の共生と和解の象徴

モスタル旧市街の古橋地区

Story

ユーゴスラビアから独立したボスニア・ヘルツェゴビナで、1992年から1995年まで続いた民族(宗教)間の紛争は、歴史・文化遺産を容赦なく破壊しました。首都サラエボの南西約70kmにある古都モスタルの象徴であったオスマン朝時代の古い橋も、砲弾によって崩れ落ちてしまいました。現在は創建当時の姿に再建され川面に影を落とす橋が、民族や宗教の違いで争うことの愚かさを訴えかけます。

バルカン半島北西部に位置するボスニア・ヘルツェゴビナは多民族、多宗教の国。ネレトヴァ川の渓谷沿いに拓けたモスタルも、東岸にはイスラム教徒、西岸にはカトリックを信仰するクロアチア人が主に住んでいます。この町がオスマン帝国の前線基地として栄えた16世紀、スタリ・モスト(トルコ語で古い橋の意)が建設されました。川面から約24mの天空に架かる全長約30mのアーチ型の石橋は、紛争中の1993年に古いトルコ風の家屋群ともども破壊されてしまいました。紛争の終結後、川底から破壊された橋の欠片を引き上げ、足りない箇所は地元の石材を用い、ユネスコの支援を受けたトルコ企業が創建当時の技法で2004年、スタリ・モストを再建しました。

2005年に多民族・多文化の共生と和解の象徴として、ボスニア・ヘルツェゴビナ初の世界遺産となった旧市街の古橋地区。スタリ・モストと多文化が交錯する旧市街が周囲の美しい自然にとけ込み、観光客がカフェや土産物店巡りを楽しむのどかな光景が広がります。

Photos

スタリ・モスト

市内を分けてネレトヴァ川に架かるスタリ・モスト

モスタルの街並み

多民族や多文化が共生するモスタルの街並み

Data

登録名
モスタル旧市街の古橋地区
登録年
2005年
分類
文化遺産
国名
ボスニア・ヘルツェゴビナ
アクセス
首都サラエボからモスタルまで電車で約2時間